2月17日付で富士通の子会社のSIerを退職しました。2月20日から日本マイクロソフトで働きはじめました。 ということで振り返りを。
富士通の子会社に入社
2005年に富士通の子会社に入社しました。確か当時1500人規模だったと記憶しています。 新宿に拠点を構えて、中部、大阪にも支社がある感じです。
そんなところで何をしてきたかというと、半年間みっちりJavaでWebアプリケーション開発を行う研修をしました。 当時はまだVisual Studioとかは企業向けでは無償ではなくてSharpDevelop?とかExpressEditionがではじめたかも?というくらいでした。それを使ってチャットアプリケーションを作って同期にばらまいて、授業中にチャットでわからないところとか質問し合ってたのはいい思い出です。
研修が終わり配属されたのは全社の技術支援を行うような感じの部門。(ちなみに配属先希望の選択肢にはなかった) そこで待ち受けてたのは社内向けJava用Webアプリケーションの開発をすることになりました。
Spring Framework, Hibernateを使った感じのライブラリで、IDEがまさかのSun Java Studio Creator(現在はNetBeansに吸収されて消滅した感じ)。 渋い感じのチョイスだなと思ってました。
既存のDBのスキーマを読み取ってHibernate関連のファイルを自動生成する処理が気に入らなかったので、velocityというテンプレートエンジンを使うように作り替えたりしました。
割と好きにさせてもらえたので当時のリーダーの人には感謝してますし、当時の目標でもありました。途中でいなくなっちゃったけど。
あとは、プロジェクトで何かしら問題が起きたら手伝いに行くとかということをしてました。 DataTableの性能が出ない問題とか、サーバーサイドExcelオートメーションとか辛い問題もありましたが、性能改善とか設計レビューとかそいうのもやってました。あと技術相談とか。
3日のはずが…
そんなこんなで過ごしていたら「クラウドに興味のある人?」という問いが上司から来たので「はーい!」と手をあげたら3日間の教育にぶち込まれることが決まりました。しかも対象は幹部社員クラスの人たちらしい…。やだなぁと思い4連休へ突入したのでした。
4連休明けて会社に戻ってくると3日間の教育は別の人が割り当てられてました。 何があったのか聞いてみると、大田くんには2年間の教育に行ってもらうと言われて??????となりました。
そんなこんなで2年間のクラウドの教育をするという壮大な計画に巻き込まれてしまいました。 ただし、これはあくまで部署として推薦するだけで会社として1名選出する過程で別の部署の人を推すので大田くんがなることはないと言われたのを今でも覚えてます。その日の夕方「大田くんに決まったよ」と言われました。
2年間の本社勤務
ということで電車だけで1時間30分くらいかかる通勤生活が2年間決まりました。 富士通のクラウドの勉強や商談支援などをしてたのですが、当時富士通が富士通のデータセンターにAzureをホストしてたのもあって、それをやりたいやりたいオーラを出してたら、1年たった頃にチームがえがあってそちらに移してもらえました。 そして、さらに半年後なぜかチームリーダーに…。嫌だと言ったのに!!
ここでは、大企業のスピード感(遅い)というものを肌を持って感じました。関係者が増えれば増えるほど色々なしがらみができて意思決定や資料のレビューなどに時間がかかるんだなぁ大変なんだなぁと思いました。
でも、本当にすごい人もいるんだなというのもここで学びました。 マネジメントがきちんとできる人のもとでのチームの作業はとてもやりやすかったですし、Windows系をガチでやってる人スゲェ…というものや、ハードの世界もちょろっとのぞき見しました。振り返ってみるといい経験でした。
パッケージ製品の面倒をみる
出向も無事終わり、戻ってくると共通技術をみる部門は無くなって、その後継の部門に配属という感じになりました。 そこで待ち受けてたのはExcel方眼紙とのにらめっこ。
ちょっと、ここでやる気がマジでなくなって転職を考えたりもしましたが踏みとどまりました。
今と同じようなお仕事が始まる
その後、チーム移動をしてもらってドローンを見たり、UnityしたりAzureしたりして今に至ります。
ドローンは、ARDroneを使ってカメラ画像から地面に貼り付けた色付きガムテープを認識してその上を移動して端っこまで行くと折り返すというのを作ったりしてました。 100万円以上する馬鹿でかいディスプレイの前でやったのが怖かったです。緊急ホバリングボタンを割と押しまくってことなきを得た感じではありました。
最後の我儘
人権がない開発環境(メモリ8GB + HDD)でお仕事してたのですが、その開発環境のリース期限が切れるということで、どんなマシンがいい?と聞かれた時に駄目もとでSurface Bookがいいって言ったのですが、リースの係りの人がめっちゃ頑張ってくれて1月31日に納品されてしまいました。
普通は富士通製のしかダメなんだけどね…本当に頑張ってくれてありがとうございましたという感想しか出て来ません。
納品されたときには辞めるということを伝えていたので上司のもとに行ってしまいました。
PCのリースの切り替えと転職活動は丁度平行で進んでいて、落ちた場合に満足できる環境で仕事したいと思って言って見た我儘でしたが、本当に実現してしまうとは思ってませんでした。結果は転職してしまうことになってしまいました。
大きめのSIerのいいところ
何と言っても新入社員研修がちゃんとあるというのがいいですね。半年間。そのあとも仮配属という形をとっていて本配属まで色々な経験を積ませてもらえます。いきなり配属されると何十年も1つの部署しか知らないっていう人も多くなるので若いうちに色々経験させておこうという試みみたいです。
部署によると思いますが、私の場合は色々な経験を積ませてもらいました。 プロジェクト支援から、社内FWのメンテや、技術資料の整備、プロジェクト体験諸々です。
まぁ人によっては10年間同じ分野のプロジェクトにどっぷりという人もいるので、一概には言えないですが、私の場合は割と好きなことをさせてもらえたと思っています。ここら辺は、入る会社というよりも配属と上司がどんな人かという運が大きいと思います。
あと、教育も色々揃ってたりするので、その気になればいろんな教育を受けることもできますし、富士通向けセミナーとかいうのも大きな会社さんがやってくれるので、そういうところで技術のキャッチアップをすることもできます。まぁここら辺は、一般公開されてるイベントとかセミナーに積極的に参加するのでも構わないと思うんですが、社内で開催されているということで仕事として参加しやすいというのはあるかもしれませんね。
あと、本当に色々なことを会社全体で見たらやっているので、積極的に動いていれば多分いろんなことに出会える確率は高いのではないかと思います。
大きめのSIerのダメなところ
何でしょうね。動きは遅い気がします。 企画がなかなか通らなくて、実装にしわ寄せがきたりとかそういうめんどくさいことはありますね。
Microsoft MVP
日本マイクロソフトで働くことになるということで、Microsoft MVPも卒業することになります。(社員はMVPになれないので) Microsoft MVPも6年やってきてて、そろそろベテランとは行かないまでも、中堅どころなのかな?と思うようになってきてたので、丁度いい引き際なのかもしれません。
Microsoft MVPは、過去1年間のコミュニティ活動などを申請して、それを評価してもらって受かると1年間Microsoft MVPを名乗っていいという表彰制度です。あくまで過去1年間の活動に対する評価なので、MVPになったからと言って何か責任が発生したりするわけではありません。
当然、更新しようと思ったら、7月に申請して更新をしないといけないので、それなりのコミュニティ活動などをしないといけないというのはあります。
Microsoft MVPになって良かったのは、本を書く機会に恵まれたというところでしょうか。id:ch3cooh393先生に、Windows 8のストアアプリの本を書かないかと誘われた時はうれしかったというのを覚えています。Windows store appの本の中では割と売れた本っぽいので満足満足。
https://www.amazon.co.jp/Windows8ストア-アプリ開発入門-大田-一希/dp/4798035440
あと、私は割とコミュ障なのでMVPだということで人に話しかけてもらえるのが割とありがたかったです。 そうでもないと、誰とも話さずに勉強会が終わるとかいうのもザラなので…。
Global Summit
Microsoft MVPの数ある特典の中で一番でかいのがこれです。
1年に1度、マイクロソフト本社でNDAセッションを3日間ぶっ通しで聴ける貴重な機会です。 まぁ全部英語なので、英語できない私にとっては80%くらい情報は素通りしてしまうのですが…。 英語できるようにならないとなぁ。
ちなみに、NDAなもんでMicrosoft MVPがGlobal Summitに行くとNDAじゃないご飯とかパーティのことばかり写真をあげたりツイートしたりするので、アメリカにパーティしに行ってるように見えるのは仕様です。
日本マイクロソフト
ということで、日本マイクロソフトで働くことになりました。 プレミアムフィールドエンジニアというところで働くことになります。 プレミアムサポートのお客様相手のお仕事になるらしいので、私を引っ張り出そうとするとプレミアムサポートを結んで、営業にお願いすればいいのかしら? よくわかんないですね。
まぁ中でいろんなことやって行くことになると思うので楽しみです。
最後に
今までお仕事一緒にしてくれた人達からは、学ぶことがたくさんあり未熟な大学院卒業したての新社会人を、ここまで育ててくれたことに感謝でいっぱいです。 これで、途切れることなく、何かしらで絡むことができたらいいなぁと思っています。
これからも、日々学ぶこと、そしてそれをアウトプットすることを目標に頑張って行きたいと思います。
ということで私の退職エントリはこれでおしまい。最後まで見てくれてありがとうございました!